第二話

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蘭が急に黙り込んでしまった。不安なんだろうな…まぁ分から無くもない。 俺は小さいごろに両親と共にこっちに来たから、それ程苦労もしないですぐ慣れたけど、彼女は… 彼女の家の事は親父の話からじゃ何となくしか分からないけど。 良いとこのお嬢様何だよな…恵まれた環境で、苦労知らず育った彼女がこれからは自分の力で生きて行かなきゃいけない。 …でもまぁ、 『大丈夫だよ、二年ってあっという間だから、なんとかなるさ。いい社会勉強だと思えば』 『私……戻らない……』 『……………っん!?』 何言ってるんだ!? 戻らないって…どういう事だ!?言ってる意味が良く分からないんだけど。 『もう国には戻らない!』 ……え?戻らない?ずっと日本に残る!? …親が許す訳無いだろう。だって、一人娘だよ、離すわけ無い。 『ご両親は知ってるの?』 真意は知らないが、聞かずにはいられなかった。
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