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習ったよ、中学から六年間も。でもそれは試験用で、日常会話なんて出来るわけ無い…
『亮は中国語上手いんだから、家にいる時ぐらい良いじゃん。』
ちょっと甘えるように言ってみたが、帰ってきた言葉は
『っ駄目、これも約束だから、そう頼まれたの!』
ズキン
なんか胸が痛いような……
分かってる、亮は親達に頼まれただけ。優しくしてくれるのも全部、責任感からで、決して私をどうこう思ってるからじゃない。
………此処にも私自身を見てくれる人は居ないんだと思うと……… なんか悲しくなって……… 涙が溢れ出そう。
泣きそうな顔を見られたくなくて俯いてると、亮が心配そうに覗き込んできた。
『え?…… そんなに嫌か?………ごめん、俺焦りすぎだよな、ゆっくりでいいよ……蘭のペースで良いから……だから泣くな……』
『っ!』
え?何?
気づいたら亮に優しく抱きしめられてた。
あまりにも突然の事で、離れる事さえ忘れてる。
びっくりして固まってる私に気づいたのか、亮のほうからパッと離れた。
ちょっと寂しいような………初めての男の人の腕の中は広くて暖かかった……
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