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色々考え事していたら随分時間が経っていたらしく、さっきまでザワザワしていた周りがたいぶ落ち着いてきた。
たまに聞こえる会話はほとんど聞き取れない。
急に心細くなってきて、とりあえず何処か座る所を探そうとキョロキョロしていると、外に繋がる出口の方から一人の長身の若い男が息を切らして入ってきた。
同じくキョロキョロしながら何か探してる様子、手には小さい紙、いやあれは写真?
思わずガン見してたら目が合ってしまった。
男がこっちに近付いてきた。
「あの~…すみません!」
日本語だ、どうしよう……
『王 蘭?』
戸惑っているのに気付いたのか今度は中国語で名前を呼んできた。
『はい!… 須藤 亮?』
パッと顔を上げてる恐る恐る聞いてみる。
『あ~ 良かった。 そう、俺! ごめん、遅くなっちまって。 外に車停めてあるから、行こうか』
男はスーツケースに手をかけると、ズカズカ前を歩く。慌てて後を追う。
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