第二話

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車に乗ってしばしの沈黙。気になってちらっと横を見ると、彼女は窓の外をじっと眺めていた。 機嫌損なえちゃったか?とりあえず謝って、タメ口を頼んでみたら、おや?意外とすんなり聞き入れくれた。 なんか案外普通かも。 不思議な人だ。最初の写真はただの無愛想な女子高生。次は空港で、如何にも高嶺の花って感じ。そして今は普通の年相応の女の子。 一体どれが本当の君なんだ?是非とも最後のであってほしいと、俺は切に願う。 色々考えてたら、つい失礼な事を口走っちまった。あちゃー、これは完全に怒らせちゃったな。マズイ、どうしよう、焦ってもフォローの言葉は出て来ない。 すると彼女が俺の言葉を遮って、気にしないと言ってきた。びっくりして横向くと、そこには向日葵が咲いたような眩しい蘭の笑顔があった。 ドクン! 何今の?…この感覚知ってる…。いや、でも…会ったばかりだぞ。ありえない…。よし、今の無しにしよ。うん、そうしよ。 変な意気込みを入れながら次の話題を探した。
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