森の中へ

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昔、一人の女の子がいました。 女の子ある日、枕元に手紙を見つけました。 「何かしら」女の子は封筒を開けました。 それは招待状でした。 『貴方を森のパーティに招待します。貴方の一番大切なものを持って、来て下さい。この招待状を持っていない人をパーティに連れて来てはいけません』 「まあ!」 女の子は目を輝かせました。 「どれにしようかしら」女の子は棚を見上げました。 「決めたわ、あなたにする」女の子はお気に入りのくまの人形を手に取りました。 女の子は、森にきました。 しばらくゆくと、兎に会いました。 「お嬢さん、どこにいくの?」 「森の奥のパーティよ」 「いいなあ。私も連れて行って」 「駄目よ。貴方は招待状がないからね」 女の子が言うと、うさぎはしょんぼり帰っていきました。 すると、くまの耳がぽとん、と落ちました。 女の子は森の奥へ進んでいきました。 しばらくゆくと、狐に会いました。 「お嬢さん、どこにいくの?」 「森の奥のパーティよ」 「いいなあ。私も連れて行って」 「駄目よ。貴方は招待状がないからね」 女の子が言うと、きつねはしょんぼり帰って行きました。 すると、くまの鼻がぽとん、と落ちました。 女の子は森の奥へ進んでいきました。 しばらくゆくと、山猫に会いました。 「お嬢さん、どこにいくの?」 「森の奥のパーティよ」 「いいなあ。私も連れて行って」 「駄目よ。貴方は招待状がないからね」 女の子が言うと、山猫はしょんぼり帰って行きました。 すると、くまの目がぽとん、と落ちました。 女の子は森の奥へ進んでいきました。 しばらくゆくと、男の人に会いました。 「お嬢さん、良く来たね」「ここがパーティ会場なの?」 「いや違う。まだあと少しさ。僕もついてっていいだろう?」 女の子は困りました。 男の人は招待状を持っていません。 しかし、男の人は道に詳しそうでしたし、女の子は迷子になりたくありませんでした。 女の子は言いました。 「いいわ」 すると、女の子の首がぽとん、と落ちました。 家には女の子のお母さんがいました。 お母さんは女の子を起こしにいきました。 しかし、女の子はいませんでした。 ベットの上には、耳も鼻も目もないテディベアがぽとん、と落ちているだけでした。
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