121人が本棚に入れています
本棚に追加
レコーディングスタジオに現れた涼介を見たメンバーは、涼介の異変に直ぐに気付いた。
何時もならハイテンションでドアを開けて、メンバーに「煩い!」と怒られる程はしゃぐのだ。
それなのに、今日に限って暗く、誰とも話そうとしないで、部屋の隅で壁に向かって俯いている。
昭仁に隠し事をしていると思うと、後ろめたくて、昭仁を直視出来ない。
昭仁と和彦の二人は、顔を見合わせてから、涼介を挟んでソファーに座る。
「どうした?」
「涼介の出番は、まだ後だよ?」
自分を気にかけてくれる昭仁の顔を見て、何か言いたげに口を開く。が、何も言わず、直ぐに俯いてしまった。
涼介の態度で、昭仁が関係していると悟る。
「俺、何かしたかな?」
昭仁の落ち込んだ様な声を聞いて、慌てて顔を上げて首を激しく横に振る。
「違います! あの…」
「何でも話してよ」
「話せば、解決するかもしれないぞ」
和彦の言葉を聞いて決心した様だ。
一つ小さく頷くと、昭仁を真っ直ぐ見る。
最初のコメントを投稿しよう!