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駅に近づくと道路は舗装され駅前にある大手デパートの看板が二つ見えてくる。 歩道にはランチ帰りのOLやサラリーマンが行き交っている。 小さめの交差点を曲がると、まるで様子の違う通りに変わる。 風俗街 まだ営業前で開いてないキャバクラや飲み屋のテナントを抜け単車のギアを二つ上げる、回転数を低くし通りの半ばに来るとすでに営業中のソープランドやヘルスの店舗があり、タレント並の笑顔のフードルの看板の横にはパラソルの下でスポーツ新聞を読んだり通りの隅で談笑している呼び込みの姿がある。 顔見知りの呼び込みニ、三人に軽く会釈をし、風俗街の外れにあるマンションの駐輪場に単車を止めた。 ここの一室に須藤サンの事務所がある。 須藤サンはデリヘルのオーナーをしているんだ、週二回、1時から夜の12時まで電話番をして日当一万円!学校にも行かず定職にも就いてない17になったばかりの俺には充分な報酬だ。
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