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山は酷い嵐に見舞われていた。
暴風が木々を吹きつけ、雷たちが地上の生物たちを威嚇する。
「こちらにはいません!!」
研究員の叫び声が雷鳴に打ち消されてよく聞こえない。
2017年、6月14日。
夏はすぐそこという楽しさと、梅雨の憂鬱さが混じる時期。
今現在、探索中の白銀山から遙か遠くに位置する滝内研究所の研究所たちは白石龍也の確保を目的にここに来ている。
「やはり、嘘なんじゃないか?もう白石龍也の死亡説が流れてから3年は経ってるんだぞ?」
すぐそこに雷音。どうやら雷が近くに落ちたらしい。
「いいから探せ!!きっとあいつは生きてる!!生きててもらわなきゃ困るんだよ!!」
しかし、依然として白石龍也と結びつきそうなものは一つとして見つからなかった。
しかし、それは研究所たちも諦めかけた時に起こった。
「おい!!山小屋があったぞ!!」
皆が一斉に声の方向へと走る。
泥にまみれた道と定義するのも怪しいような道をジャングルのように生い茂った草木を分けながら進んでゆく。
ジャングルの先には、自らのをアピールするかの如く、古い山小屋がそびえ立っていた。
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