最後の日と始まり

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「霊札よ」 啓太の疑問に美紀はすぐに答えを返した。 「霊札? 何だ、それ」   「霊的な力を持ったお札の事だ」 美紀の言葉の後、正樹が説明を付け足した。 「霊的な力を持ったお札ね……それが、どうしたんだよ?」 啓太はあまり話が着いて行けそうにないと思い、適当に聞き流そうと思っていたが、正樹は予想を覆す恐ろしい言葉を口走った。 「この札をどうするかって、次に死ぬ奴を決めるんだ」   「……えっ?」 啓太は戸惑った。正樹が何を言っているのか分からなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。 「二度も言わすな、次の犠牲者を決めるって言ってるだろ!」   「はは……。みんな、冗談が上手いな」 啓太は頭を掻いて笑った。だが、完全に顔が引き攣っていた。 「無理もないか。私達だって実際に修介の告別式に来なければ、こんな事信じなかったし……。」 そう言い、美紀は霊札を地面に置き、それを全員で囲んだ。 「なぁ、死ぬとか簡単に言ってるけど、その言葉の重さをちゃんと理解してるのか?」   「啓太、お前は真面目だな……。でも、この呪いの前では無意味だよ」   「呪い……」 そう言い、啓太は唖然とした。
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