死後の世界

5/7
前へ
/115ページ
次へ
「ちょ……ちょっと待って!」 閻魔大王の言葉に啓太は慌てた。 「中立の世界って何? 天国とか地獄とかじゃないの?」 閻魔大王に聞こえるように啓太は慌てながらも大声を上げた。 だが、閻魔大王は啓太の言葉に取り合わず、次の者を呼んだ。それを見て、啓太は叫びを上げた。 「ちょっと待てよ。中立の世界って何だよ? 答えろ!」 その言葉を聞いた閻魔大王は、啓太を睨み付けると、左手を勢いよく右に振った。すると、啓太の体は横からの突風に煽られ吹き飛ばされた。 「そこに居る女が案内役だ、指示に従え」 閻魔大王は目を細めながらそう言い、啓太のとなりを指差した。そこには、薄茶のショートヘアでピンク色のワンピースを着た女性が立っていた。 「どうもー。中立世界までの案内人、ミーアでーす。よろしく」 そう言いミーアは手を差し出し、啓太に握手を求めて来た。啓太はとりあえず、立ち上がりミーアと握手を交わす。 「よろしく」   「じゃあ早速、案内するね。付いて来て」 ミーアは握手した手を離さないで、そのまま強引に啓太の腕を引っ張った。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加