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「ちょ……ちょっと待って!」
閻魔大王の言葉に啓太は慌てた。
「中立の世界って何? 天国とか地獄とかじゃないの?」
閻魔大王に聞こえるように啓太は慌てながらも大声を上げた。
だが、閻魔大王は啓太の言葉に取り合わず、次の者を呼んだ。それを見て、啓太は叫びを上げた。
「ちょっと待てよ。中立の世界って何だよ? 答えろ!」
その言葉を聞いた閻魔大王は、啓太を睨み付けると、左手を勢いよく右に振った。すると、啓太の体は横からの突風に煽られ吹き飛ばされた。
「そこに居る女が案内役だ、指示に従え」
閻魔大王は目を細めながらそう言い、啓太のとなりを指差した。そこには、薄茶のショートヘアでピンク色のワンピースを着た女性が立っていた。
「どうもー。中立世界までの案内人、ミーアでーす。よろしく」
そう言いミーアは手を差し出し、啓太に握手を求めて来た。啓太はとりあえず、立ち上がりミーアと握手を交わす。
「よろしく」
「じゃあ早速、案内するね。付いて来て」
ミーアは握手した手を離さないで、そのまま強引に啓太の腕を引っ張った。
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