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ミーアに引っ張られるまま、建物の脇にある通路を抜け、蛇のようにくねくねした道に出た。道の下には雲が流れていた。
「いい加減に離せよ!」
そう言って、啓太はミーアの手を荒々しく振り払った。
「どうしたんですか?」
「一人で歩けるって言ってるんだ。そんな事より、中立世界って何なんだ?」
啓太は真剣な顔をしてミーアに質問をぶつけた。閻魔大王には相手にもされなかった質問だが、ミーアなら答えてくれると信じて……。
「あーその事ですか。うーんと、説明するよりも実際に行って見た方がいいですよ。と言う事で、出発!」
そう言って、ミーアは啓太に背中を見せて歩き出した。
「ちょっと待ってよ」
歩き出したミーアを啓太が止めた。
「もー! 今度は何ですか?」
「だから、中立世界の事だよ。教えて」
「だめです!」
ミーアは啓太の話の途中で声を張って啓太の話を止めた。
「置いて行きますよ。」
そう言ってミーアは再び歩き出した。啓太は仕方なくミーアの後を追った。
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