最後の日と始まり

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「どう……して」   そう言い、倒れている男は僅かな力を振り絞り、変ななりをした男のズボンの裾を強く掴んだ。   「どうしたんでしゅか? 君の悩み事は解決されましたよ、喜んで下しゃい」   「こんなの……話しが違う」   「なんで? 死ねば全ての悩みが解決出来るでしょ」   そう言って、変ななりをした男は口元を少しニヤつかせた。   「死ぬなんて……聞いて、ない!」   「何言ってるんでしゅか? 誰も、ハッピーエンドで解決するとは言ってませんよ」   変ななりをした男の言葉を聞くと、倒れている男は絶望に打ちひしがれながら力尽きた。 すると、嘲笑っていた雨が止み、雲間から太陽が顔を覗かせた。 変ななりをした男は、挿していた傘を畳んで倒れている男の体を力強く刺した。そのまま、傘に付いた男の血で男が持っていたお札に何かを書き始めた。   「恨むならボクじゃなくて別な人を恨んでくだしゃい」   そう言いつつ、変ななりをした男はお札に『呪ってやる、クラスの全員を呪い殺してやる』と書いた。   「呪いなさい。クラスの全員を……呪い殺すんでしゅ! あ゛ひゃぁ゛っひゃぁ゛っひゃぁ゛」   男は笑い、幽霊のように音も無く消えた。
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