最後の日と始まり

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今日の出来事を忘れるなんて、啓太には出来なかった。そう思いつつ、気持ちを切り替えて啓太は仕事に戻る。   「お前達がケンカするのは珍しいな。あんなに仲良かったのに……」   啓太が仕事場に戻った後、龍太は正樹と向き合い話をしていた。だが、何を言っても無反応、無表情のまま正樹はただ呆然と立ち尽くしていた。   「何があったかは知らないが、誰それが死ぬなんて言葉、安易に使ったりするな」   その言葉に正樹の体はピクリと動いて反応を見せたがすぐにそれは無くなった。   「早主任には関係ありませんから。」   そう言って、正樹は自分の仕事場へと戻って行く。 龍太が見た正樹の背中は不安に満ちていて、正樹がその不安と戦っているようにも見えた。 だが、何か強大な物で締め付けられているようにも龍太は感じていた。 正樹を見送ってから、龍太は自分の仕事場へと戻って行く。
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