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朝、目覚ましの事務的な電子音で目を覚ます。
「む…、もう朝ですか…」
もそりと起き上がる。
眠い目を擦りながら寝床から這い出し、二階にある自室から一階のリビングへ。
「…おはようございます。」
リビングにいる母に声をかけ、
「おはよう、御飯できてるから早く食べちゃいなさいね?」
との返答を賜る。
「兄さん、ベーコンエッグのエッグをください。」
「寝言は寝てから言いなさい。」
妹の暴言をかわし、
「弟、消し炭寸前のトーストと灰になったトースト、どちらがいい?」
「自分で焼きますからいいです。
…いい加減、トースターくらい使いこなしてください。」
機械音痴の姉をたしなめる。
「消し炭寸前のトーストをくれ。」
…父さん、体に悪いので海軍式代用コーヒーは止めてください。
「飲むか?」
「飲みません。」
全く以ていつも通りの朝だ。
朝食を終え、いつもの時間に着替えて学校へ向かう。
「忘れ物はない?」
「抜かりなく。」
母さんの問いに即答する。
「そう?」
「では、行ってきます。」
俺、高瀬春樹の一日は、いつもこうして始まる。
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