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悲鳴、嗚咽、嘲笑、哄笑、怒号、落胆――
一つの部屋で止まる事なくそれらは起こった。起こるべくして起こった。そう冷たく今にも壊れそうな少年に言い放った。
少年はそれに何故かと怒気を込め尋ねる。
男はふんっ、と嘲笑うと足元に転がる少年の母の首をとった。
一瞬だった。男は言った。これが答えだと……
少年は疑った――全てを疑った。目の前に広がる風景、視界に映るもの何も出来ない彼には疑い否定する事しか出来なかった。
理解出来なかった――理解しようとしなかった。
許さなかった――否、許せなかった。
「うわぁぁあああああああ」
少年は力の限り叫んだ。喉が裂けるほどに、全てを否定するかの様に。目の前に立つ男を殺すかの様に……
駄目だ駄目……まだ全然足りない。不完全すぎるもっと己を鍛えてからにしろ……話しはそれからだ。
言い残し男は去った。
残ったのは、少年だった。それ以外は残らなかった、家族も心も全て男にのまれ男に砕かれた。
残ったのは紅く染まった部屋と元家族、心を無くした少年だけだった。
全ては動く事を辞め、残ったのは全てを奪われた少年だけだった。
全てを失いどうでも良くなった。どうでも良くなりすぎて少年は笑った。
泣き叫ぶ事に諦めると笑った。
気持ち悪いと少年の心が訴えたが彼はその事すら笑った。
崩れ落ちる。堪らず、音を立て――何もかも――
全てが無くなる頃には少年にあった感情は殆どと言って良いほどに残っていなかった。
まだ始まってすらない――終わってすらない――
つかれたよ。もう
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