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6月10日 月曜日
父親の急な海外への転勤で、僕は全寮制の私立高校に転校する事になった。
母親は父親について行ったから、日本には僕一人残されたということ。
ちなみに前の学校とも、かなりの距離離れてるから友達もいない。
なんか0からのスタートって感じかな?
結構不安だ。
どうにかなることを祈りたいね。
それで今は新しい教室の前にいる。
「入ってきなさい」
先生が僕を呼んだ。
とうとう来たか・・・。
うだうだ言ってても仕方ない。
よし、入るか!
ガラッ
「こんな時期に珍しいが、転校生の紹介だ。
それでは水木君、自己紹介よろしく~」
「はい。
はじめまして、水木拓巳と言います。
岐阜の方からやってきました。
これからよろしくお願いします」
パチパチとクラスのみんなが拍手する。
「えーっと、それじゃあ水木君の席はー、あそこが空いてるな。
それじゃあ、水木君はそこに座ってな」
先生はそう言って、一番後ろで窓際にある席を指さした。
僕はその席目指して歩いていった。
僕が座ると、隣の席の男子が話しかけてきた。
「俺は堀田大吾って言うんだ。
これからよろしくな!」
「よろしく、堀田君」
「おうよ!」
「大吾~。
挨拶するのは感心だが、まだ朝のホームルーム終わってないんだからあんま大声出すな」
教室中に笑い声が溢れる。
思ってたより馴染めそうな感じのクラスで良かった。
これから、ものすごい騒動に巻き込まれると知らない僕は胸をなで下ろしていた。
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