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「おいっ元就!!此処に置いておいた機械の部品、何処にやった!?」
「フンッ…あんな物邪魔だったからゴミ箱に捨てた」
会計近くで静かに本を読んでいた黄緑を主にした服の毛利元就─毛利さんに長曽我部さんは勢いよく問い詰めた。が、相手は全く動じずに答えていた。
「なっ!!?何て事してくれてんだ、テメェーは!!!?」
「オイオイ、厨房の奴等はいいとしても流石に会計に居る奴等はヤバいんじゃないのか?」
俺はその光景に何か起こるんじゃないかと冷や汗をかいた。
「大丈夫大丈夫!いつもの事だから、気にしなくっていいさ」
俺がそう言った時、右隣のテーブルの椅子に座っていた黄色の主にした服を着てやたら髪の長い前田慶次─前田さんがそう言った。
「んー…、なぁ 長曽我部さん」
俺は少し考えてから長曽我部さんを呼んだ。
「何だよ、藜」
(うおっ!?Σいきなり呼び捨てかいッ。一応客と店員じゃなかったのかよ。まっ、いいけど)
「その部品って何の機械に使うんだ?」
「ん?ああ…、確か此処に…あった!ほれっこれだよ」
長曽我部さんはそう言ってポケットに入れていた小さな箱を投げてきた。
俺はその場に立ってそれを受け止めた。
「これって…確か…」
俺はその小さな箱を見て、持っていた羽織る服の内側を漁って似た感じの小さな箱を取り出した。
「お前…それ…」
長曽我部さんはそれを見て、目を丸くした。
「ああ、多分同じ物だと思うんだが…。ちょっと弄らせてもらってもいいか?」
「おっおう…」
長曽我部さんの曖昧な返事に俺は貸してくれた小さな箱の方を弄り出す。
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