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ガチャ…
ガチャガチャ…
周りが静かに見守っている中、俺はその小さな箱を弄り何かに気が付いた。
「あっ…」
「ん?どうした?」
俺の異変に気付いたのか長曽我部さんが話し掛けてきた。
「なぁ…この箱の足りない部品ってこれの事か?」
俺はそう言ってまた羽織る服の中のポケットを探り、それを出した。
「おっ!それそれ!!」
「んじゃ、これを此処に付けてっと……、よしっ!完成だ!!」
「おおっ!!?ありがと、藜!!」
長曽我部さんはそう言って、俺の手から小さな箱を取ると笑ってお礼をいってくれた。それに応えるように小さな笑みを浮かべて俺は言った。
「いえいえ」
「でも、何で藜がその部品を?しかも箱まで…まさかお前もアレを買ったのか?」
長曽我部さんがそう訊いてきたのを聞いて、机の反対側に座っていた伊達さんが聞いてきた。
「アレって何だよ?元親」
「んぁ?アレってのは『K2ICⅡ(ツー)』の事だが」
「けっけいつーアイシーつー?」
長曽我部さんの言葉に尚更訳が分からないと伊達さんは言った事を繰り返した。
「『K2ICⅡ』ってのはこのコンパクトな箱の事を言うんだよ。所謂その名はこの箱の番号」
俺が長曽我部さんの代わりにそう言った。
「『K2ICⅡ』を理解してるってこたぁー、やっぱそれも同じなんだな」
「ああ。ちょっと機械弄んの好きでさ、パソで買ったんだ。流石に普通じゃ手に入らないからよ」
「でも、よく予備を持ってたな。これ、予備ですらあんま売ってないんだぜ」
長曽我部さんがそう言ってから、俺はそれに答えようとして口を開くと伊達さんに遮られた。
「予備は俺が「stop!stop!それ以上二人で話を進めるな」
「そうだよ、藜。俺達にはさっぱり分からないんだからさ」
伊達さんに続くようにして前田さんも言ってきた。
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