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「じゃあ後で話そうぜ。俺、機械弄りする仲間 前々から欲しかったんだ」
長曽我部さんはそう言ってきてニコッと笑った。
「ああ、いいぜ」
俺もその笑顔に笑顔で返した。
と俺は笑っていると一人、変わった店員が視界に入った。
「ねぇ、えっと風魔さん。風魔さんは喋らないんですか?」
俺がそう言ってその場を立ち、近くの所を掃除していた風魔小太郎─風魔さんに近付くと
「ああ、そいつはただのアルバイトなだけだ。何か訳ありで口封じをさせられているとかがどううとかで…」
俺がそう聞くと風魔さんが答える代わりに伊達さんが口を開いた。
「ふ~ん…、でも此処の店員には変わりないんだろ?だったらアンタも此方に来てなんか喋らね?」
「いや、だから話せねって」
伊達さんが俺の言葉にそう言ってきた。
「要は口じゃなきゃいいって事だろ?」
俺はそう言ってズボンのポケットからメモ帳とペンを出した。それを見た伊達さんは少し驚いた様子で言ってきた。
「お前、どんだけ物持ち歩いてんだよ」
「ん?どんだけって…こんなけだけど?」
俺はそう言ってメモ帳とペンをテーブルの上に置いた後、羽織る服の中とポケットの中の物を全部出した。
因みに俺が出した物は財布、携帯と此処までは普通だが俺はちと、変わった物を持ち歩くのが好きでねぇ。
「これ、お前ッ!?予備品とか俺の見たことねぇーような機械とかどんだけ物、持ち歩いてんだよ!!?」
「まぁ、細かいことは気にするな」
長曽我部さんが驚きを隠せ切れないままそう言った。でも目だけはキラキラと輝いていたのは言うまでもない。
俺は長曽我部さんを見て、ニコリと笑った。
「なぁなぁ…、これ 何だよ?」
「ん?ああ…それ。持ってみると分かるよ」
俺がそう言うと、話し掛けてきた前田さんはそれを片手で持った…というより持とうとして持ちきれなくなって両手を使って持った、の方が正しいかもしれない。
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