邂逅

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俺はオンボロなセダンのエンジンをかけた。 途中で練炭セットを買い求め、ただしゃにむに山奥へと車を進めた。 一一一一 一一一一一一一 一一一一一一一一一一 一時間ほど車を飛ばして、現在地がイイ感じにわけわかんなくなって来た頃、なんだかしっくりとくるスペースを見つけた。 俺はガムテープをトランクから取り出して窓の隙間やエアコンの通気孔などにもれなく張り付ける。 もちろん酸素の出入りをシャットアウトするためである。 動悸が止まらない。 俺は確実に今死に近付いている。 いざこうしてみると恐ろしくてたまらない。 口の中はカラカラで全身が震える。 俺は、今死のうとしている。 その事実が重くのしかかる。
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