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練炭はもう焚ける状態にある。
もう睡眠薬を胃に流し込むだけ。
それであいつのところまで行けるんだ。
素晴らしいことじゃないかよ。
俺は睡眠薬を三錠震える手で押し込む。
喉が上手く動かない。
結局嚥下できなくて吐き出してしまった。
生きていることも死ぬこともできないなんて、俺はなんなんだ。
圏外になっているケータイを開く。
保護受信ボックスのメールを下から須らく読んでいく。
決意ができた。
また三錠薬を口に放りこむ。
今度はすんなりと飲み込むことができた。
手早く練炭を焚く。
すぐに眠気が襲いかかってきて、意識が深遠に落ち込んでいく。
思いはせるは、愛しい愛しい彼女のこと。
温もりに包まれて俺は死んだ。
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