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愛しいあいつが哀しそうな目で俺を見ている。
わりぃ、俺、死んじゃったよ。
怒ってるか?怒ってるよな。
すまねえ。
だけどさ、もう堪えられなかったんだよ。
お前がいない世の中に。
お前を失ってから俺の世界はいつでもモノクロだったよ。
どんな女を抱いたって、ドラッグでラリッたって俺の心の隙間を埋めてくれるものはなにもなかった。
もういいんだよ。
最初からこうしていればよかったんだ。
俺あそこで死ぬべき運命だったのかもしれねえ。
死にそこねたんだ。
これで元通りさ。
なんでそんなに泣きそうな顔すんだよ。
笑ってくれよ。
手を伸ばす。
しかしその手は虚空を掻くばかりで一向にあいつに触れることは叶わなかった…………
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