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一一一一
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玄関のドアが開く音がした。
どうやら眠ってしまっていたらしい。
もうエミリに電話してから30分近く経っていた。
「あー ヨスガ君寝てたのぉ?」
相変わらず語尾を伸ばす甘ったるい喋り方。
「おせえじゃねえか。
15分以内っつっただろ?」
エミリの質問には触れず、遅刻を咎める。
「15分以内なんて無理に決まってんじゃん。あたし沼津にいたんだよぉ?」
沼津とは俺が住んでいる町から普通に車を飛ばして45分ほどのところにある町である。
30分で着いたのは相当飛ばしたのだろう。
しかし俺は寝転びながらにべもなく冷たく言う。
「関係ねぇよ。」
「自分なんて寝てたくせにい…」
エミリは不満げに頬を膨らませたものの、すぐに媚びるような目をして微笑んだ。
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