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とまあ、そんなこんなで、ぽかぽか陽気にぼんやりしていた俺は天井に薄墨色の染みのようなものがある事に気が付いた。
「ん~? あんな染みあったっけ?」
その染みみたいなのはみるみる大きくなり、爆発した。ドカーンって。いや、マジで。
「え……わあああ!!」
思わず叫ぶ俺は、凄まじい爆風に無残にも壁に叩き付けられ、つぶれたカエルさながらの状態。
部屋は爆風が吹き荒れ、めっちゃくちゃ。
俺は壁から落ち、べちゃっと床とキスする羽目に。
「な……」
訳が分からず、呆然としていると、またも風が吹き出す。
すると……説明してる俺もさっぱり理解出来んが……まるで、逆回転させた映像のように散乱していた物が元の場所に風に乗って戻っていく。
全て元通りに収まると、まだあった天井の薄墨色の渦からひょいっと軽やかに人が舞い降りる。俺の口はあまりの事に開きっぱなしだ。
「はー、びっくりした。どうしようかと思っちゃった」
声の主は女の子だった。長い髪をツインテールに結び、スレンダーで細い体をピンクのワンピースに包んだ美少女が……いた。
「それは俺のセリフだあ~!!」
能天気な少女の声にツッコむ俺をようやく認識したのか、くるりとこちらを向くと猛烈ないきおいを付けて満面の笑顔を浮かべ抱き付いてくる。
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