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晦日「あっ、可憐ちゃん、直ぐに用事を片付けるから、適当にくつろいでいて。」
可憐「えっ?ど…どうも」
俺は手近にあった椅子を引き寄せ座り込む。
晦日「えっと…どこに置いたっけな~」
可憐「さっきから気になっていたんですが、何を探しているんですか?」
晦日「ちょっと前にまとめた資料の原版よ。確かここら辺にあったはずなんだけど…………あったあった。」
そう言って晦日さんが取り出したのは一枚の紙、それを鞄にしまうと、
晦日「さて、帰りましょうか」
可憐「あ…はい。」
晦日「………?」
こうして、俺と晦日さんは生徒会室を出た。
その後、職員室に生徒会室の鍵を返し、正門に向かった……
のだが、
可憐「げっ!?」
あいつらは!!
生徒Aと生徒B!
頑張って振り切ったのに、ここで出ていけば奴らの餌食だ……
可憐「……」
晦日「…?どうしたの可憐ちゃん?」
晦日さんは俺の視線の先を見る。
晦日「成る程……よし!可憐ちゃん!私に着いてきなさい!」
可憐「…へ?」
スタスタ歩いて行く晦日さんの後をおう。
着いた所は自転車置き場だ。
晦日「可憐ちゃん、これであそこを突破するわよ。」
可憐「これで…ですか?」
…そこには、白銀ボディの原付バイクがあった。
この学校バイク通学よかったのか?
晦日「さあ、可憐ちゃん!早く後ろに乗って!」
可憐「は…はい」
晦日「よ~し、見ていろ。織田勢に一泡吹かせてやる。」
可憐「…は?」
晦日「行くぜ相棒!!」
ブォォォン!!
可憐「!?」
俺達を乗せた原付バイクは狭い学校路を爆走しだした。
同時刻、山中高校正門前…
生徒A「なあ?ホントに可憐たんいるのか?もう帰ったんじゃねーの?」
生徒B「いや、まだだ、まだ校内にいる。」
ブォォォン!!
生徒A「!?な…何だ?」
晦日「イャッハァァァ!!」
生徒B「ヒィィ!!」
晦日「突破ァァァ!!」
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