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「おっお兄ちゃん!?」
そう言って少女は鏡を持ったまま、あたふたしはじめた。
どうやらあれが少女の兄らしいな、優しそうで、温かい笑顔で、こいつも俺に飯をくれそうな雰囲気をしている。
「お前もしかして笑顔の練習とかしてたの?」
兄が腹を抱えて笑いながらそう言った。
笑ってはいるがバカにした笑いではなく温かな笑顔だ。
「……だってお兄ちゃんが来てくれるって言うから」
少女は顔を真っ赤にして、もじもじと手を合わせながらうつむいていた。
………何をしているんだろうな。
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