9896人が本棚に入れています
本棚に追加
一通り笑い終えると、兄は少女に向き直った。
「…悪かったな寂しい思いさせて。」
兄は頭をかいて居心地悪そうに苦笑いしながら少女にそう言った。
「ううん!私は平気だよ!?」
少女は一瞬、ポカンとしていたが、慌てて兄の言うことを否定した……だが嘘だな、いつも寂しそうな表情をしていた。
「ほら、お兄ちゃんも忙しいし。」
それでも会いにきてほしかったんだろ?
「お兄ちゃんにはお兄ちゃんで、やることもあるんだから、しょうがないよ。」
そう言って明るく笑う少女。
その笑顔が寂しそうに見えるのは俺だけか?
最初のコメントを投稿しよう!