彼が彼女で、彼女が彼で。

再会のために

待ち合わせ。

「買い物に付き合って欲しい。」
と言われていたからだった。

賑やかな駅前で待ち合わせ。

華やぐ街に、行き交う人。恋人同士、家族、学生…。
そんな人を見ながら、ぼんやりしていた。

『あの、お一人ですか？良かったらお茶でも…。』

突然、後ろから声をかけられて一瞬固まった。振り返れない。

声を、かけられる事なんか絶対無い。あるわけない。

恐る恐る振り返ってびっくりしてしまった。さやかだ。