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第八話:ー成長ー:
終結の日から四年半の月日が流れた
アリアも成長し小学生となったが、あの日のことは明確には何一つ覚えていないらしい
それほど心の傷が深かったということなのだろうか…
一方で、城は完全復興をきたし新たな国王も決まり、何もかもが順調だった
ー国王室ー
「あの日から…もう四年か…あの子はどうしているのだろうか…」
「どうかなさいましたか?ジール国王様」
そう、新たな国王とはあのジールだった!
四年前の出来事の際、的確な判断で素晴らしい指揮を取ったということで警備兵達から絶大な信頼を得て、王族を差し置いての当選となった
「いや…何でもない」
「そうですか…」
「(ムカラ達の報告では問題ないが…このまま何も起こらなければ良いのだがな…)」
ジールは不安だった
いつか、些細なことでアリアの目の力が作動しないかと…
そして、いつかは話すべきなのかと…
しかし、アリアは自分の失われつつある記憶に断片的に気付き始めていた
ー下級地区 一角ー
「ねぇママ?」
「どうしたの?アリア」
「私ね…?昔、人を憎んだりしないって誰かと約束をしたの。
でも、誰と約束したかどうしても思い出せないの…とっても大切なことような気がするの…他にも、違う女の人に…目がどうのって…思い出せない…」
母親がアリアをなだめる
「アリア!しっかりして!大丈夫!?」
母親がそう言うと、アリアは頭を抱え倒れ込んでしまった。
このことを見ていた監視のレビルは、すぐさまジールへ通告した
そして、報告を受けたジールはもう時間がないことを悟った
ー翌日ー
ジールは自らアリアの元へ向かう
アリアは学校へ向かって一人歩いていた
「あの…記憶はいったい…?あぁ…頭が痛い」
アリアの精神はもはや限界で、その場に膝をついた
そこに…ジールが現れた
「ようやく見つけた…少し見ない間にずいぶん大きくなったね、アリアちゃん…君をこんなになるまでほったらかしにしてごめんね…」
アリアはこの人が今の国王だという認識しかなかった…そして、何の話をしているのか…アリアには何一つわからなかった
「…?」
「もしかして、私のこと覚えてないかい?」
「いえ…国王様という認識はあるのですが…すみません…」
「いや…あの頃の君は小さかったし仕方ないよ。とにかく、城へ行こう」
そして、アリアはジールと共にそのまま城へ向う
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