第十話:ー心ー:

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第十話:ー心ー:

ー翌日ー チュンチュンチュン… 快晴の空 とても穏やかな朝 城内に小鳥のさえずりが響き渡る アリアは目を覚ました 「…ここ…どこ…?」 自分の居場所が分からない しかし、アリアは不安にはならなかった 「ここ…来たことある…国王室…?」 アリアはベッドから降り部屋の中を見渡す すると、ソファーで誰かが寝ているのを見つけた それはジールだった 「気持ちよさそう…」 アリアはあまりに気持ちよさそうに寝ているジールを見て、とても起こす気持ちにはなれなかった アリアはソファーで寝ているジールの目の前に椅子を持ってきて座った 「はぁ…イス…おっきくて重かった…」 アリアはそんなことを言いながらジールをジーっと見ていた ー三十分後ー ジールが突如目を覚ました 「…誰だ…!?」 寝ぼけたジールはアリアを敵と勘違いをした アリアはそれに非常に驚き泣き出した 「ひぃ!ひぐ…うぐ…うわぁぁん…」 ジールは一瞬で我に帰った 「しまったぁぁぁ… ア、アリアちゃんごめんね… おじちゃん寝ぼけちゃったよ…! 大丈夫だからね!!」 アリアは比較的すぐに泣き止んだ 「う゛ん゛…ひぐっ…ぐすっ…」 「ア、アリアちゃんお腹すいたでしょ?ちょっと待っててね」 ジールはアリアを国王室に残し、部屋を出た ドアの前から声が聴こえる 「食事を取るからすぐに国王室に持ってきてくれ」 ジールは警備兵に命令を下しているようだ 警備兵はすぐに食堂に向かって走り出した 命令も終わり、ジールはすぐに部屋に戻ってきた 「アリアちゃん、すぐにご飯来るからね」 ニッコリとそう言った 「うん」 とアリアは少し元気なさげに返事をする 数分後、食事はすぐに運ばれてきた コンコン… 「失礼します」 警備兵達が食事を並べる 警備兵達は並べ終わると部屋の片隅に立っていた 片付けのためだろう ジールはすぐに食べ始めた 「さ、おいしいよ? アリアちゃんもどうぞ」 そう言われ、アリアも食べようとするが、食べられない 実はアリアは前日のことや思い出した過去のことで頭がぐちゃぐちゃになっていた 「……うぅ…」 アリアは食べなくてはジールに悪いと思い、泣きながら無理やり食べ始める 「アリアちゃん…無理して食べなくていいよ!」 ジールはもし、アリアが食べなくてもそれでいいと思っていたが、無理に食べ始めるとは思わなかった アリアは急に食べるのを止めたと同時に大粒の涙を流した
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