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第十一話:ー傷ー:
アリアが目を覚ましたのは三時間後だった
ジールはこの日の夜、警備兵達と対策を考えた
警備兵の中からは
「もう我々の手で殺すべき」
など
「放り出す」
などの意見も出た
しかし、ジールはそんなことを相談してるんじゃないと怒りを露にした
調理に関わっている女警備兵から
「ハーブティーは心を落ち着かせる作用がある」
という情報を得たジールは、アリアに毎日ハーブティーを飲ませることにした
もっとも、ジールにはこんなことで解決出来る程、簡単で軽い問題ではないと分かっていたが、これ以上にどうしようもなかった
そんな中、裏国家特殊部隊では不穏な動きがあった
裏国家特殊部隊には三部隊があり、黒槍は現在壊滅している
動きを見せたのは、裏国家特殊部隊の中で最強部隊と謳われる“白槍”だった
ー白槍基地内ー
「懐かしい話しだな…
その件に関してはもう終結した筈だろう」
「いえ、また動きが見られたんです!」
「バカな…その謎の力を持ったエミー・キルラは死んだ筈だ」
「いえ…それが、またその力で殺されたと思われる人間が出たという報告が他国のスパイからあったんです!何でもアルカディアを襲撃した際に三人が殺されたと!しかも、その力を使ったのは幼い女児だったらしいんです!!」
「な、何だと…どういうことだ!!」
「それが…まったく分からないんです!」
「とにかく、アルカディアにスパイを飛ばせ!」
「はっ!」
即刻白槍から五名のスパイが派遣された
再びアルカディア王国とアリアに危機が迫る!!
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