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第二話:ー式典ー:
六月某日現在、十時二分
城のテラスにエミーが立つ
一年に一度、今日限りは国民は級に関係なく上級の地区内に入り城近くに集まり式典を執り行う
そして、今まさに式典が始まろうとしていた
エミーがマイクに向けて話し出す
「国民の皆様こんにちはエミー・キルラです。私が国王になり早三年の時が過ぎようとしています。この三年間でこの国は変わったのでしょうか?以前この国は戦争に明け暮れ、たくさんの死傷者をだしていました。特にキール国王は国民を道具としてしか見ていなかったと思います。」
その言葉を聞いた国民はざわつき出した。
「ふざけるな!キール様はお前のように貧弱な王ではないぞ!!撤回しろ!!!」
「そうだそうだ!お前みたいな女に何が出来る!!」
下から多数の野次が飛ぶ
エミーは冷静に返す
「出来ること…ですか?
ならば宣言しましょう!
この国はもう二度と戦争をしないと!!!」
エミーのその言葉に国民は愕然(がくぜん)とした
「バカな!この戦争時代の中でそんなこと出来るハズがないだろ!!」
再び野次に熱が入る
「ならば…見ていてください。あなたが出来るハズがないと言ったこと、実現させてみせましょう。これで式典は終わりです。皆様お元気で…」
そう言い残しエミーは付き人の制止を振り切り城の中に消えた
そして、この日を境に不可解な死亡事件が始まる
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