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おい、おい。
お前ら、昼日中から何しとんねん。
こんな天下の往来で。
誠次だった。
あっ!
誠次さん、すいません。
ちょっと揉めてますねん。
俺はしどろもどろに状況を説明した。
タケシは表情も変えずに会釈をしただけだった。
今までの一触即発の空気はとりあえず緩んだ。
何やお前は!?
金山は左肩を前に出し下から上に視線を移しながら、誠次に噛みついた。
おいおい、坊主!
物の言い方一つで丸いもんでも、尖ったりするんや。
気ぃ付けて物言いや。
誠次は落ち着いていた。
端目で見ても貫目の違いは一目瞭然だった。
喧しいわぃ。
われっ、俺を誰や思うとんねん?
おぉ。
尚も執拗に金山はゴロをまいた。
怖い兄ちゃんやのぉ。
誠次は物怖じすることなどなかった。
東條組の金山じゃ。
ほぅ、それがどないしたんじゃい?
坊主、代紋出しての話するんかい!?
腹据えて物言えやぁ。
ごちゃごちゃ言わんと来んかい!
おぉ、われも代紋きった限りはちゃんと扱うたるわ。
のぉ。
わしは速水組の秋山の若いもんで榊っちゅう者や。
ええか坊主、極道はゴロまきゃええってもんやないぞ。
もう一回考えて筋道通せや。
何をごちゃごちゃ言うとんねん!
喧嘩に筋道もくそもあるかい!勝つか負けるかじゃ。
四の五の言わんとかかってこいや。
元気のええ奴っちゃのぉ。
お前らみたいな坊主相手に喧嘩したら、わしが笑われるがな。
一回は飲みこんだるさかい引かんかい。
誠次は我慢強く掛け合った。揉め事は出来る限りさけたいようだった。
おぃ、喧嘩も出来んのか?
こらっ!
流石の誠次も
金山のこの言葉には堪忍袋の緒を切ってしまった。
おぃ、鼻タレ!
極道の喧嘩の仕方教えたらぁ。
そう言った顔はまるで憤怒に満ちた仁王のようだった。
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