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それは、いつもと変わらない、いつもの電車の中でおこった―‥‥
「んじゃね。気ぃつけてなぁ。」
「うぃ☆そっちもね。」
そんなこんなで、今日も一日が終わろうとしていた。
「はぁ‥‥。」
学校が終わり、友達という存在と別れて電車に乗る。イヤホン付けて、いつものように音楽に耽りながら車窓からの景色を見る。もうすぐ夜だ。
私は夜が好き。
誰にも見られず、闇が私を隠してくれる。本音から何から何まで、すべてを隠してくれる。そんな事を考えながら、私は最近ハマりだした新選組の本を読み出した。
丁度ラッシュ時だったから、私は一駅ごとに奥へと追いやられていく。いつの間にか、車両と車両を繋ぐドアの所まで追いやられてた。
あと3駅で下車する駅だった。
キキーッッ
ガタンッ
「うわっっ!!!!」
ほんの一瞬の出来事だった。
電車の急ブレーキでよろめいた拍子に、車両を繋ぐドアを開けてしまい、そこに倒れこんだ‥‥はずだった。
「あれ‥‥?」
ドアの先は真っ暗な闇。
あの鉄板の床もない。
当たり前だが、私は真っ逆さまに落ちていった。
いつまで続くかわからない闇。
地面がないのは流石に怖い。
しかし、地面らしきものはおろか、光すらない。
体と首を最大限にひねって上を見てみると、私が落ちてきたはずの、あの車両の光すら見えなくなっていた。
とりあえず、地面に着くのを待とうと、衝撃を最小限にしようと、クッション代わりに鞄を体の下にして、きつく目を閉じた―‥‥。
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