始まりの序曲

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 なんだか今日はいつもより周りが騒々しい。 少し気になり私は振り返り檻の外に目をやった。 檻の外にはスーツ姿の若い男が立っていた。 鼻がすっと高く、整った顔立ちに鋭い眼差しの目、髪はくせ毛なのか所々が外にハネているが、逆にそれがかっこよく見える。 身長は180cmは超えているだろう。 すらっと長い足、まるでモデルのような容姿をしている。 その男は一通り遊女を見渡している。 姉さん達はその男に声を掛け、精一杯のアピールをしているが、鉄仮面のように表情一つ変えない。 すると向こうが私に気付き視線が合った。 だが私は目を反らしまた檻の隅に身を縮めた。  
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