始まりの序曲

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「おい、そこの隅にいる奴」 周りが一斉に静まり返り私を見た。 「お前を買う、来い」 男はそう言うと私を見て手招きをした。 周りの姉さん達はひどく驚いている。 だけど一番驚いているのは私だ。 周りの遊女と違い、明らかに地味で周りより劣っている私が何故? そんな事を考えていると男が私の手を引き、檻の中から出され、私の部屋に向かった。 お互い一言も喋らず沈黙のまま廊下を歩く。 ここに来て何日が経っただろうか。 一日一日、あの檻の隅で身を縮めて、貞操を守ってきたのに…… 私の部屋に着いたら、 私はこの男と……  
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