始まりの序曲

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私が浴室を指差すと男は「どうも」と言って浴室に入った。 男がシャワーを浴びている間に私は着替えを済まし、タオルと着替えを準備し、浴室の前に置く。 しばらくすると男がシャワーから出てきて、私に問い掛けてきた。 「あんた、名前は?」 「あ、春音(ハルネ)です」 「へー。俺は龍騎(リュウキ)、俺さ、春音のこと気に入っちゃったんだよね。また今夜来るから、他の客取るなよ?」 その男、龍騎はそう言うと「いいな?」と付け加え私を見る。 「あ、はい……」 龍騎の言葉に驚きながらも私は頷いた。 気に入ったって、何がなんだろう。 何もしてないのに、変な人。 そんなことを考えてある間に龍騎はスーツに着替え、 「じゃ、また夜に」 そう言い部屋を出ていった。  
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