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時は平安。
魑魅魍魎がはびこる時代。
そんな平安京の都を歩く三つの影。
いや、正確には三人では無いのだが、ただ人の目には移らない異形の者達が一緒にいた。
「もう、彩輝は心配性だよ。」
「宵藍だって、私達は大丈夫なの。」
三人の内の二人が異形―――いや安倍晴明の式神である十二神将六合と青龍に話し掛けた。
「二人共、青龍や六合の言うとおりだよ。二人はわざわざ付いて来なくても良かったんだよ?」
「「付いて来たかったんです!!」」
そんな、たわいもない会話をしながら歩く。
そんな、六人の話を遠くで聞いていた者達がいた。
一人は藍色の澄んだ瞳に漆黒の艶やかな髪を一つに束ね、色白の肌にとても短く、胸元が見えるような着物俗に言う遊女の着物の裾を短くした物を着て木に座っている。
もう一人は朝焼けの澄んだ瞳に漆黒の艶やかな髪を二つに束ね、先程の者と同じように遊女の着物の裾をとても短くした物を着て同じように木に座っていた。
二人の共通点それは顔が似ていて、天女以上に美しいその容姿だった。
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