†第十一章:決戦・前編†

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彩乃も藍姫と同じように匂い袋を六合に渡していた。 「………大事にする」 受け取って貰えてホッと息を吐く彩乃に六合は小さく微笑み彩乃の頭を撫でた。 『むぅ………子供扱いしないで』 不機嫌そうに告げられた言葉にクスリと笑みを浮かべて彩乃の頭を撫でている手を頭から背中に移動させ強く抱き締めた。 『いきなり、どうしたの?』 目を数回しばたかせて小さく微笑む。 【ずっと、このままでいられたらいいのに………。】 そんな思いを抱く。 有り得ないと思いを消す。 無理だと分かっていても願ってしまう。 だから、どうか今だけはこのままでいさせてほしいの――――――…… .
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