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「ったく、いつまでもダラダラグチグチ言いやがって、とっとと警察呼んで終わりにしようや」
「何それ!? そっちがどうこう言ってたのに全部私のせい!!」
「……仕方ない。もう終わりにしようか、俺は無駄な争いをしたくないんだ。お前にだって目的があるように俺にだってやらなければならない事があるんだ。こんなに長く引っ張ってもオチの付け方忘れたから収拾できないし。俺は無力だからこんな手段でしかお前を救えない。
……だから……許してくれ」
「え!? 何その無駄に爽やかな笑顔!? というか、いろいろ言ってるけど本当の理由がハッキリ分かるよ!! 文字の量増やしても誰にでも分かるからね」
そんな野次を無視して俺は大きく息を吸い込んだ。
「お巡りさ~ん!! 不審者で~す!!」
近隣住民に迷惑をかける最終兵器である。
「結局警察!? というか、そんな古典的な方法で――
「この街と平和を愛するお巡りさん参上!!」
「来るの!? 悪い事じゃないけどなんか腑に落ちない!!」
「うわっ、本当に来た」
「来ると思ってなかったの!?」
普通は誰も思わないだろ。
「お!! 不審者少女発見!! ただちに捕縛する!!」
警察が少女に向かって駆け出した。
「せめて逮捕にして!! それとこっちに来ないで!!」
それにビビった少女は半泣きで逃げ始める。
「逃げますか? ですが、この足の速さとしつこさから《国家権力の犬》という愛称を貰っている私から逃げ切れるなんて思わないでくださいよおおぉぉぉ!!」
いいのかそれが愛称で?
「来ないでええぇぇぇ!!」
そして2人は闇に消えていった。
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