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「すまん、つい反射的に蹴りを入れてしまった」
「反射的に人の顔を蹴ったのか!?」
俺は頬を押さえながら言う。
……おかしい。
予定では、このメガネ小僧が最初の被害者になるはずだったのに……
どっちかと言えば、俺が被害者になってるし……
くそ、こんなダサい状態からまた襲うのも気が引けるが、姿を見られたいじょう引き下がる訳にはいかない。
俺はもう一度ど少年に飛びかかっ――
「ぐぼっ、ぐばぁ!?」
「す、すまん。つい癖で」
……何の癖だよ。
癖でみぞおちに膝入れるかよ……
癖でそのままさっき喰らわせた頬にピンポイントで拳入れるかよ……
「悪気はないんだ。ただ不用意に飛びかかるあんたが悪いだけで……」
その説明に悪気があるよ。
「むしろあんたが大人しく謝ってくれればいい話で」
……お前は悪気はなくとも悪意があるよ。
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