第2章:Red rooM

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予想はしていた。その予想が見事に的中するように、扉は開かない。外からカギを掛けられているらしい。 他に出口はないかとぐるりと周りを見たが、そこには窓らしき物もなく…、外部との繋がりはこの扉だけだと直ぐに悟った。 それでも真央は冷静だった。 『もっと焦りなさいよ。このままじゃ飢えて死んじゃうじゃない。幸い寒くないし過ごしやすいけどさ。 なに、ワクワクしてんの?あんた。まったく…しょうがないんだから』 自分が自分へ向けた声も、スーッと薄くなり、消えてゆく。 【いいじゃないの、どうせいつもの部屋で目覚めても退屈なだけじゃない。それに…あなたの好きな赤にも出会えたんだしさ。】 反応が聞こえる。これは人との繋がりを持たない真央の1つのクセだった。会話相手としての自分。 真央はそんな話し相手をマオウと呼んでいた。 『まぁそうだけどさ…、でも、誰がこんなことを?』 頭が痛い。
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