第2章:Red rooM

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頭が痛い。目の前が真っ赤に染まっており、周りにはなにもない。視覚を統合する後頭葉がしっかりと刺激されるのを真央は感じていた。 後頭部が痛い、しかし誰かに殴られた形跡もない、これは間違いなくこの赤のせいだ。 だれか居ませんか? 声を発してみる。小さな空間にも関わらず、反響もせずに直ぐまた静けさを取り戻していた。 冷静なものだ。 自室のベッドで寝ていたはずの人間が、目覚めたら真っ赤な空間で目を覚ます。慌てふためいても良いハズなのに…。 さらにあたりを見回す。左手の壁に、1つの扉を発見した。それ以外にはなにもない。赤を除いては。 真央を起こした少女もいない。もう声もしない。 ゆっくりと体を起こすと、フラつきながら扉へと向かった。
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