囚人の唄

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どうぞ そう言うと見張りはドアの前に立ち止まり、老人と私は、ガラスを挟んで対面した。 少しの間の沈黙。 見張りのアナログの腕時計の針の音が聞こえるとさえ思えた。 その空気を、私は壊していいものか迷っていた。 いや、そんなものはただの言い訳で、どう切り出していいのか分からないだけなのかもしれない。
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