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『くだらないな』
ぐしゃり。
『・・・』
『くだらない』
ぐしゃりっ!
そう奴は、ぽつりぽつり。
呟き・壊していく。
狂った仲間を。
躊躇わず、
すかさず、
逃さず、
生かさず、
逝かしていく。
これは毎度恒例―――きっと、僕が思い出すに最後だろう、あの戦争の記憶。
『つまらん』
1人1人を確実に壊しては、次の標的へ。
そうして、破壊を繰り返す。
―――それはまるで、決められたルートでもあるかのように。
ぐちゃっ!
僕は喋らない。
僕はこいつと話をしない。
そもそも、話なんてしたことなかった。
したくなかった。
それでも幼かった僕はつい聞いてしまった。
“なにがつまらないんだ?怨”・・・と。
奴は間髪入れず、クルリと僕に身体を向ける。
質問に、きょとり。
大袈裟に驚いた顔をして。
そして。
『人間がに決まっているだろう』
そう―――言うのだ。
ぐちゃっ!
『・・・そうか?』
そうしてまた、破壊に勤しむ。
『亜、貴様は人を好いていたのか――――異常だ』
『・・・まさか。嫌いだよ、それを言うなら異常じゃなく意外『異常で合っている。俺が間違うわけがない、だから、異常だ』
“貴様は異常だ――――化物のくせに。”
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