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「亮ちゃん!おはよっ」
ぽかぽか陽気が気持ちいいこの頃。
小走りで通学路を進めば、見えてくる人影にゆっくり微笑んで、目の前の亮ちゃんに声をかけた。
家の近くの公園がいつもの待ち合わせ場所。
「おぅ。行くか。」
そんなあたしに振り返っては
少し照れ臭そうに微笑む彼が、愛しい。
「うんっ」
そして恥ずかしがり屋な彼を横目に笑えば、どちらともなく、手を重ね歩いた。
いつも通りの日常が、温かく心を埋めていくんだ。
一年程前のあの日のことで、ぽっかり空いた、心の穴を。
今は、この人だけを愛してるって
―――素直に笑えるの。
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