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中山「台本小説が書きたいい?」
中山さんの素っ頓狂な声が賑やかな店内に水を差した。仕事帰りであろう大勢のサラリーマンが私と中山をついたて越しに白い目で睨み付ける。
中山「一体、何でまたそんなことを……」
バツが悪そうに声色を落としてなおも食ってかかる。彼の顔は酒のせいだろうか、もともと血色の良い肌がさらに赤味を帯びている。
私「小説界に風穴を開けたくなったんですよ」
顔の前で組んだ両手の奥で私はわざと不敵な笑みを浮かべてみせる。辺りはすでにもとの活気を取り戻し、酒とタバコの臭いと共に彼等の談笑がまた勢い良く芽吹き始めた。
四畳半ほどの座敷に私と中山は陣取っていた。四人分のスペースに二人だけ
山中「本気で言ってるのか? 」
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