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俺の学校は12:55に4校時が終わる。
それまであと5分ほど。
授業は数学。
正弦だの余弦だの。
意味がわからない。
三角と丸が俺の頭の中で混沌と渦巻く。
なんかもうサインコサインタンジェント!!
・・・
言ってる俺にも意味不明だ。
時間は刻一刻と迫る。
時計はもう55分を指している。
しかし1-8の時計は1分ほど早い。
そう。
4校時終焉の鐘が鳴り響くのは12:55ではなく、12:56。
さらに言うならば12:56と32秒。
残り15秒。
・・・3・・・2・・・
キーンコーンカーン・・・
終わった。
三角比という呪縛から解き放たれ今まさに俺は自由だ。
クラスのヤツらも思い思いに行動している。
図書館へ行くもの。
ケータイをいじりだすもの。
本を取り出し読書にふけるもの。
友達とおしゃべりするもの。
しかし1番多いのが、弁当を食べるもの。
そして俺も、かばんに手を伸ばす。
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