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バランスを崩して、視界がぐるっとまわった。
落ちる!そう思った瞬間思わず目をきゅっと閉じた。
ところがいつまでたっても衝撃は来なくて、むしろ温かくて力強い腕が背中にまわされてあたしの体を支えていた。
「いててて…」
「だ、大丈夫!?」
「それはこっちのセリフ。怪我はない?」
「あ、あたしは大丈夫……ありがと……」
思いのほか顔が近くて、思わず目をそらしてしまう。
外村くんはそのままあたしの体を離してくれなくて、彼の視線が痛いほどに全身に刺さっている。
「あ、の…そろそろ離して…?」
「……このまま撮影続行したいって言ったら、どうする…?」
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