外村(いちご100%)「恋する獣」

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口元だけでまたニッと笑った彼が、唾をごくりと飲み込んだのがわかった。 あたしの体を支える彼の腕が、掌が、熱い。 彼の視線を辿ると、落ちた衝撃でセーラーの前ホックが全部弾けて、太もものぎりぎりの位置までプリーツのスカートが捲れあがった、あたしのあられもない姿だった。 ああ、今のあたしは、彼の目にどう映っているのだろうか。 彼の熱があたしにも移ってしまったのか、体がすごく熱い。 どくどくと全身が脈打っている。 あたしの足の間に立てられた彼の膝があたしの太ももにあたると腰から背筋にかけてうねるように甘い疼きが走る。 彼の熱い息が頬にあたり、思わずあたしも吐息を漏らした。
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